エンジンの気筒数の違い

エンジンの気筒数とは何か?

気筒とはエンジンのシリンダーの数の事です。

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バイクだけに限った話ではありませんが、
エンジン(シリンダー)内部には
ピストンと呼ばれるパーツが存在します。

シリンダーの数の違いで
エンジンの種類分けが出来ます。

単気筒エンジンやマルチエンジンなど、
シリンダーの数でエンジンの
呼び名が変わってくるのです。


ピストンが1つで単気筒エンジンまたはシングルエンジンと呼びます。

ピストンが2つで2気筒エンジンまたはツインエンジン。

ピストンが3つで3気筒エンジンまたはトリプルエンジン。

ピストンが4つで4気筒エンジンまたはマルチエンジン。


バイクの構造にあまり興味のない方や
初心者の方はエンジンの中の
パーツなんてそれ程重要ではないと
考えるかもしれませんが、
この気筒数というのはバイクの性能や
乗り心地に大きな影響を及ぼす部分で、
色々な意味でバイクと密接な関係にあります。


バイクとエンジンの気筒数に関して記載して行きます。

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ピストンの働きとバイクへの影響

エンジンは内部でガソリンと
空気の混合気を爆発させて
そのエネルギーをバイクの動力としています。

エンジン内部で混合気を
爆発させるためにピストンを使用します。

シリンダーと呼ばれるピストンと
同じ径の部屋で混合気は
ピストンに押しつぶされ圧縮されます。

そして圧縮された混合気は
プラグの火花で爆発し、
押しつぶしていたピストンを逆に押し戻します。

この動作を繰り返し行う物がエンジンです。


ピストンは圧縮と爆発で
上下の運動を行っていますが
この運動がエンジンの鼓動、
バイクに伝わる振動となります。

つまりエンジン内部の
ピストンの数やピストンの大きさは
バイクの特性に大きく影響する部分なのです。


気筒数によるエンジン特性の変化

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振動の変化


エンジンの振動は基本的に
気筒数が増えていくほど収まっていきます。

これはピストン同士の
振動の相殺によるものです。

ピストンが横一列に並んでいる
直列2気筒のエンジンを例に例えます。

1番ピストンが圧縮方向に動作する時、
2番ピストンは爆発方向に動作します。

1播ピストンが↑の方向に動くときに
2播ピストンが↓の方向に動くので
2個のピストンはお互い
発生させている振動を打ち消し合い、
エンジンの振動は少なくなっていきます。

気筒数が増えた分だけ
振動の打ち消し合いが上手に行われて、
より静かでスムーズなエンジンになります。


しかし、単気筒のエンジンでは
ピストンは1個しかなく、
ピストンの上下動がダイレクトに
エンジンやバイクに響き、
大きな振動となってライダーに伝わります。


気筒数が変化するとエンジンの
振動が変化する理由にはもう一点あります。

それは、単気筒と4気筒のエンジンでは
1気筒あたりの爆発力の違いがあり、
それがエンジン特性に大きな影響を及ぼします。

例えば同じ400ccのバイクでも
SR400とXJR400では
単気筒エンジンと4気筒エンジンです。

400ccの容量は
SR400では1気筒で受け持ち、
XJRでは4気筒に分配されます。

つまりピストンとシリンダーの大きさが
単気筒エンジンと4気筒エンジンでは
違ってくるので当然エンジン内部の
爆発力の大きさが変化してきます。

排気量が同じ単気筒と
4気筒のエンジンを比べると、
当然単気筒エンジンの方がピストンは大きく、
爆発力は大きなものになります。

この爆発力が
エンジンの振動を大きくし、
結果バイクの振動としてライダーに伝わります。


力強さの変化


エンジンの気筒数の変化は
バイクの力強さにも影響をおよぼします。

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気筒数が少ないほど
エンジンは低回転型でトルクが太く、
気筒数が増えるほどエンジンは
高回転型で馬力が大きくなる傾向があります。
(これはエンジンの
その他のパーツにも大きく依存するため、
すべてのバイクに当てはまる事項ではありません。)


基本的に単気筒エンジンはトルクが太く、
低回転、低速からの発進力が
大きくなりますのでオフロードバイクなど
低速で力が必要とするバイクに好まれます。

反対にマルチエンジンなどは
高回転、高速時に大きな馬力が発生しますので、
スーパースポーツのバイクに使用される傾向が高いです。


気筒数が変化する事により、
エンジンのトルクや馬力などにも変化が起きます。

これらはバイクの優劣を決める物ではなく、
バイクの乗り味としてライダーに伝わります。

これらの事から、エンジンの気筒数の変化は
バイクを印象付ける大きな要因ですので、
決して軽視できない重要な要素であると言えます。 

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もし試乗する機会があれば
いろいろな気筒数のバイクに
乗ってみるのも面白いですよ  (^-^)