スクーターはギヤがないのになぜ速度が上がるの

スクーターはアクセルだけでギヤがないのに
なぜ速度が上がっていくのでしょう??

Vベルト無段変速機の仕組み

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スクーターはVベルト無段変速機を採用しており、
変速と駆動力伝達を1つのユニットで行っています。

Vベルトは変速を行う
プライマリーシーブとクラッチを備えた
セカンダリーシーブに挟み込まれ、
空滑りすることなく駆動力伝達を行っています。

このため、
Vベルトは駆動力による引張りだけでなく、
シーブ側面との摩擦にも耐えられる強度が必要とされます。

Vベルトと変速機の動き

アイドリングから発進時

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アイドリング状態では、
駆動力よりクラッチスプリングの力が大きく、
駆動力はホイールへ伝わらない。

エンジン回転数が上がると
駆動力がクラッチスプリングの力を上回り、
クラッチが繋がる。

よって駆動力がホイールに伝わる。

この時、Vベルトはプライマリーシーブの最も内側、
セカンダリーシーブの最も外側(外周)にあり、
減速比はマニュアルトランスミッションでの
低速ギヤの状態。


中速時

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エンジン回転数が上昇してくると、
プライマリーシーブの回転が上昇し
その遠心力によりプライマリーシーブの
ウェイトローラーが外側に移動し、
プライマリーシーブはVベルトを外側へと押し上げる。
Vベルトの長さは一定のため、
プライマリーシーブ側の径が大きくなると、
セカンダリーシーブ側では
Vベルトが内側に押し下げられる。

減速比は発進時よりも小さくなり、
セカンダリーシーブの回転が早くなる。


高速時

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エンジン回転数がさらに上昇すると、
ウェイトローラーがプライマリーシーブの
最も外側まで移動し、
Vベルトをさらに外側へと押し上げる。

対してセカンダリーシーブ側は
Vベルトがさらに内側に押し下げられ、
減速比はマニュアルトランスミッションでの
高速ギヤの状態になる。


原付スクーター、ビッグスクーターのほとんどが
このVベルト無段変速機を採用しています。

耐用年数は大体2万キロ程度なので、
距離を走っておられる方は
一度点検してみられるといいでしょう。 ('ω')ノ