バイクの性能の昔と今

オートバイの性能はどこまで進んでいるの?

車の技術は進んでいるけど、バイクは変わっていないのでは?

と疑問を持たれる方も多いと思います。

少し例を挙げてみましょう

デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)

ギアチェンジを自動で行う画期的なシステムで、
二輪車用としてはホンダが世界で初めて実用化した技術です。

2016年2月に国内で発売された
「CRF1000L Africa Twin」
にもDCTタイプが用意されており、
よりオフロードを楽しめる「Gスイッチ」
を加えた最新のDCTが搭載されています。

画像の説明

バイクのオートマチック・トランスミッションというと、
スクーターに採用されている
ベルト式の無段変速(CVT)が一般的ですが、
DCTの場合、ギアチェンジそのものを
自動化した点にイノベーションがあります。

CVTと違って、ギア車特有の
ダイレクトなシフトアップ、シフトダウンは
感覚としてそのままで、
左手によるクラッチ操作と、
左足によるシフト操作を不要にしたのが特長です。

とくにワインディングを走るときなど、
無意識にかなり忙しい作業をしています。

その作業からライダーを解放すると、
純粋にスロットルとブレーキに意識が集中して、
バイクの操縦がぐっと面白くなります。

DCTは1-3-5速の奇数段と、2-4-6の偶数段のための
2組のクラッチを備えており、
2つのクラッチが交互に働くことで駆動力に途切れのない、
スムーズで素早い変速を可能にしています。

技術的には年々進歩し、
より自然なシフトタイミングを検知できるように進化させ、
トルクコントロールと連動させたり、
走行環境やライダーの気分に合わせて選べる
シフトモードを増やすなど、
DCTの性能はますます向上しています。


走りを存分に楽しめるトラクション制御

MotoGPなどのレーシングマシンで培われてきた
電子制御のトラクション・コントロール・システム(TCS)が、
数年前から大型スポーツバイクを中心に
市販車にも搭載されるようになってきました。

画像の説明

そもそもTCSとはどういった技術なのでしょうか。

TCSは、エンジンのパワーを
いかに効率よくリアタイヤから地面に伝えるか、
コンピューターによってコントロールするシステムです。

スポーツライディングの好きなライダーなら、
バイクがもっている走行性能を、
電子制御が介入するまで最大限に楽しめます。

また、雨の路面などライダーが思ってもいない局面で
リヤタイヤが空転しそうになると、
速やかにエンジン出力を落として
後輪のスリップを抑制します。

もちろんこれによって
必ずしも安全を確保できるとはいえませんが、
誰もが快適なライディングを楽しめる方向になってきています。

スズキのTCSの場合、
車体に5つ配置されたTCセンサーによって情報を集め、
1秒間に250回ものきめ細かいエンジン制御を行うことで、
滑らかな発進や走行を可能にしているのが特長です。

スーパーチャージャーが搭載

スーパーチャージャーというのは、
小さな排気量のエンジンで大きな出力を得るため、
より多くの空気を燃焼室に送り込む装置のことです。

同種の装置であるターボチャージャーは、
排気ガスでタービンを回す仕組みですが、
スーパーチャージャーはエンジンの回転で
直接インペラを回して空気を送るので、
タイムロスのないリニアなパワーを発揮するのが特長です。

カワサキのH2に搭載されているスーパーチャージャーは、
エンジンが1分間に1万4,000回転のとき、
インペラは(1分間に)13万回転し、
1秒間にドラム缶1本分(約200リットル)の空気を
エンジンに送り込むことができます。

吸入空気の圧力は自然吸気の2.4倍に達して、
驚異的なパワーを生み出します。

従来のスーパースポーツは、
排気量1,000ccクラスで200馬力のパワーを発揮しますが、
「Ninja H2R」は一気に300馬力を達成することができます。


このように見てみますと
オートバイも新しい技術が次々に投入され
とても高性能になっています。

次期ハイブリッドのPCXも販売されますし、
環境にも優しいバイクもどんどん出てきそうです。

楽しみですね! (^_-)-☆