暖機運転って必要なの

暖機の主な目的としては、
まずエンジンを温めるというものが挙げられます。

では、エンジンはなぜそれほど
しっかり温める必要があるのでしょうか。

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ひと昔前のオートバイでは
冷間時にはエンジンに力がなく、吹け上がりも鈍いため、
走りたくても思うように走れないというのが現実でした。

そのため、気温が低い時期にはしっかりと暖機を行い、
エンジンが本来の性能を発揮できるようになるのを
待ってから走り出す必要があったのです。


では、今どきのオートバイはどうかというと、
特に暖機など気にしなくても
まったく普通に走ることができます。

これは主にエンジンの制御技術が進歩し、
エンジンが冷えている状態でも
しっかりと性能を引き出せるよう、
燃料の噴射量などを適切に制御できるようになったことが要因です。

それなら、暖機は全く不要なのか?
というと、そうとも限りません。


例えば、エンジン内部のパーツは、エンジンが適正な温度まで温まった状態になって初めて、本来の性能を発揮できるように設計されています。

もちろん、今どきのエンジンでは
パーツの加工精度も格段に高くなっているため、
それほどシビアに考える必要はありませんが、
ピストンなどは今でも温度管理が必要な
代表的なパーツといえるでしょう。

そのため、エンジンを労わる意味や冷えた状態では
ピストンのクリアランスの問題などから、
オイル消費も増えがちということを考えると、
今どきのエンジンでも何がしかの
暖機運転は必要だと考えられます。
ただし、アイドリングで無駄に燃料を消費しすぎるのも・・

燃料を無駄に消費せずにしっかりと暖機を行うには、
実は何も特別なことをする必要はありません。


エンジンを掛けたら、そのまま「普通に」走り出せばいいのです。

普通というのはちょっと曖昧な表現ですが、
急発進や急加速、急ハンドルなどの急のつく操作(ブレーキは除く)
をしない普通に街中を走るような運転と
考えていただければいいかと思います。

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いきなり走り出したのでは、暖機運転にならないのでは? 

と思われるかもしれませんが、
そもそも前述のように今どきのオートバイは、
エンジン始動直後から問題なく走ることができます。

もちろん、
すぐさまアクセル全開というのは問題がありますが、
普通に交通の流れに乗れる程度の速度であれば、
エンジンへのダメージも特に気にするほどではないと思います。

逆にアイドリング時よりもエンジン回転が高いため、
各部の温まりは格段に早くなります。


また、走りながらの暖機をおススメするもう一つの理由として、エンジン以外の部分も同時に温められるという理由もあります。

オートバイはエンジンさえ温まればそれでOKというわけではなく、
ギヤやサスペンションなどの駆動系パーツなどの回転部分のベアリング、
そしてタイヤなども適度に温める必要があるのです。


これらの部分は、
止まってアイドリングを続けているだけでは
ほとんど温まりません
(一部、エンジンの熱などで温まることもありますが)

基本的には、
オートバイが動き各部が作動することで
初めて適正な温度まで上がってくるのです。


走りながら暖機をすることで、エンジンはもちろんこうした駆動系なども適度に温めることができるため、結果としてオートバイ全体を最適な状態にウォームアップすることができるのです。

いずれにしても、
アイドリング状態での暖機は、
効率が悪い上にエンジンだけしか温められないものですから、
なるべく短時間で済ませるのがポイントです。

走り出して、
水温が安定するころには各部の暖機も十分完了しているはずですから、
そのあたりを目安に暖機運転を終えればいいでしょう。


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乗り始めは急が付く操作を控えて、
オートバイ全体を暖機するつもりで。

あと体も徐々に慣らしていきましょう!!